あけましておめでとうございます。ご家族おそろいで健やかによい年を迎えられたことと思います。
三年前の年頭所感で「百年に一度の大波」と表現しましたが、これが大変化の現れの始まりでした。世界が今、新しい100年変化の中にあることを実感しています。私は「欧米独り占めが続いた世紀から、世界の70億人が共存する世紀へと、大転換する時代の中に私達は居る」と考えています。
今年の課題は、"イノベーション20"
今年の課題は"イノベーション20"とします。
「モノづくり革新2010-12」の二年目のこの1年間やってきたことを省みると、目指したモノづくりの基礎づくりさえも、まだまだ出来ていないと痛感しています。
今年は三年目、総仕上げの年です。私は、ここであえて非常に高い挑戦目標であるが、全ての領域で20%の改善を目指します。特にコスト領域では20%の改善を成し遂げる"モノづくり体制を作り上げる"ことを、今年度の課題にします。
やれば出来る"石﨑らしさ"を発揮する
過去石﨑本店がやってきたことは、ガラス建材卸業からビル窓・壁施工業へ、モータリゼーションが進む中で自動車の窓ガラスアッセンブリー業から、バックミラー事業への進出、最近では小型乗用車が求める基本機能をもった競争力あるバックミラーの開発をやり遂げての事業の拡大でした。これらのすべての事実から、当社が"イノベーション"を実現できる力をもっていると確信しています。
これは当社の伝統である「進取の気性」、「お客様本位」、「社内の和」が力となって、「石﨑らしさ」として機能したからです。この「石﨑らしさ」を発揮すれば、なせばなると思っています。
「コスト改善」について
競争相手を見て価格引下げ競争をしていては、事業は続けられません。人が基盤の企業力なのに人減らしだけにたよるコストダウンは、会社の力を弱めるだけで、前進はありません。「イノベーション20」は、人減らしを指すのではありません。
企業は"新しい価値"をつくって社会に向けて提供し、評価を受けて、事業を継続発展させていくのが、本来のあるべき姿です。
今年の課題「イノベーション20」は、お客様に評価される『機能のある・低価格の良品』を作り上げる、"つくり方が20%向上した新しい価値"づくりに挑戦することです。
求める"新しい価値"創造
それは、当社が作っている商品、そのつくり方、材料、機能、すべてを深く広く知り尽くすことです。目標の"70億人のお客様"の立場に立ってみて、そこのお客様に自分がなってみて、必要な基本機能を持った商品とつくり方を掴みなおしてみる。一度、不必要な構成部品やモノづくり過程を、はずしてみる。そして、裸の機能を見てみる。ここからはじめる逆転発想に立ってみると、必要とする機能がありのまま見えてくるはずです。狙うお客様に自分がなってみて、逆発想をするのです。無駄を省くというより、必要な機能を生かすということです。よりシンプルで、低コストで、機能の明確な商品と、そのつくり方を生み出すモノづくり転換に進みます。
わかりやすい目標と新しいリーダーシップ
具体化は、それぞれの事業の"イノベーション20"を"わかりやすい目標"に構想することです。目標を決めた人達は勿論、すべての人の目標になっていく活動のストーリーが出来ていることが前提になります。
今年のモノづくり革新、"イノベーション20"の課題は、石﨑本店の現状を打破するだけでなく、時代の変化の先頭に求められるものばかりです。若い人、未来を目指す中堅どころの人達が"目覚め"、"意欲を燃やして"、目標と課題に参加してきてほしい。この意義がわかる人が新しいリーダーになる資格があります。
当社の現状を見ると、制度疲労が未だまだ残っております。古きを捨て、新しきを育てるリーダーが、真のリーダーの役割となります。
"イノベーション20"に取り組むことで、気づき、思いつき、を集め、知識と知恵を集め工夫して、あるべき未来の石﨑生産方式を確立し、世界に輝く石﨑ブランドを目指し続ける毎日となるような年にしましょう。今年はそういう変化の年です。
今年は平成の壬辰(みづのえたつ)
今年の干支「壬辰」は、60年サイクルの三番目の十年が終わる直前、時代の変わりきる丁度真ん中に位置して、次の干支の時代が水面下で進んできた変化が浮かび上り、水面上を覆い出すことで、多くの人々がやっと仕組みの変化に気づく、そういう年です。
私が愛用する「干支黙示録」が書いている世の中の動きの概略です。
今年は、「干支黙示録」が示すように、「新石﨑」の姿が表に現れる年となるでしょう。全員が「未来への約束切符」、"イノベーション20"の成果を持ち、新しい波に乗ることが出来る年にしましょう。
この一年、共にしっかり働き、会社の収支計画を全うし、事業の改革も進めて、求める姿へ会社を変えてきたと言える皆さんの活躍を期待します。